「女性は敵、赤ん坊は敵、妊婦は敵」イスラエル側の真意、バイデンの偽善も明らかに
ラザリーニ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長のX(旧ツイッター)での投稿
パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエル。この間、一般市民が避難している国連管理の学校を攻撃、女性や子ども等の非戦闘員を殺傷することを繰り返しています。イスラエル側は「ハマスのメンバーを攻撃した」と主張しますが、果たして本当にそうなのでしょうか。実際にはハマスの戦闘員か否かは関係なく、一般市民を含めガザの住民を殺すこと自体が目的となっているのではないかと国連に報告された調査でも指摘されているのです。そして、イスラエル軍によるガザ市民への攻撃には、米国製の兵器が多用されていることも判明しており、米国も国際人道法違反が問われ得る状況となっています。
【志葉からのお知らせとお願い】ウクライナやパレスチナなどの紛争地での現地取材や地球温暖化対策、脱原発、入管問題などで鋭い記事を配信し続けるジャーナリスト志葉玲が、ジャーナリズムの復権と、より良き世界のための発信をテーマにニュースレターを開始。本記事含め、当面、無料記事を多めに出していきます。お知らせのための登録だけなら無料ですので、是非、以下ボタンからご登録ください。Journalism will never die!!
〇相次ぐ国連の学校への攻撃
米国の大手テレビネットワークCNNによれば、今月10日にガザ南部ハンユニス近くで、14日にはガザ中部のヌセイラトで、一般市民の避難所となっている国連管理の学校が攻撃され、避難者が死傷したとのこと。また、上記のものを含め、直近の10日間で8つの国連管理の学校が攻撃されているとラザリーニ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長はX(旧ツイッター)に投稿。
At least eight schools hit in the last 10 days, including six @UNRWA schools.
The war robbed the girls and boys in #Gaza of their childhood & education.
Schools must never be used for fighting or military purposes by any party to the conflict.…
UNRWAによれば、昨年10月から今月6月末まででガザにある国連関連の施設が190棟が破壊または損壊させられ、これらの施設に避難していた避難民が少なくとも520人殺害されたとのことです。ガザでの被害者全体では、今年5月、国連は「完全に身元が確認された」とする死者が2万4686人で、その内、子どもが7797人、女性が4959人、高齢者が1924人、男性が1万6人とし、まだ身元が確認されてない死者が1万人以上いるとして、この時点で3万5000人以上が殺されたと発表*。つまり、女性や子ども、高齢者は身元が判明している被害者全体の約6割であり、非戦闘員の割合が極めて大きいと言えます。加えて、男性もハマスの戦闘員でない人々も多く殺されていることから、犠牲者のほとんどは一般市民だと見るべきでしょう。
*ガザ保健省は、最新(今月15日)の発表で犠牲者数は「3万8664人」としている。
〇市民の犠牲、ハマスは理由にならない
一般市民の犠牲者が多いことについて、イスラエル側は「ハマス等のガザの武装勢力が一般市民を『人間の盾』にしている」と主張し続けています。要するに、市民の中にまぎれ、市民を盾にするハマス等が悪いとの責任転嫁をしているのです。しかし、今年6月に国連人権理事会に提出された独立した専門家らの調査報告書は、イスラエル側が政府レベルでガザの一般市民を殺害する意図を明確に持ち、実際にガザの一般市民を攻撃していると指摘。戦争中であっても、意図的に非戦闘員である一般市民を攻撃したり、或いは一般市民を巻き添えにしない予防措置を怠ることは、国際人道法違反の戦争犯罪となります。上述の報告書は、イスラエル軍のガザ攻撃は重大な国際人道法違反だと指摘し、ネタニヤフ首相含むイスラエル政府関係者らは法的責任を問われるべきだと結論付けています。
#HRC56