ジャーナリスト志葉玲の新たな発信について

ウクライナやパレスチナなどの紛争地での現地取材や地球温暖化対策、脱原発、入管問題などで鋭い記事を配信し続けるジャーナリスト志葉玲が、ジャーナリズムの復権と、より良き世界のための発信をテーマにニュースレターを開始。Journalism will never die!!
志葉玲 2023.10.05
誰でも
ウクライナ北東部ハルキウで取材時の志葉

ウクライナ北東部ハルキウで取材時の志葉

  劣化していく日本のジャーナリズムの中で、自分は何ができるのか―新しい媒体での連載を始めようと思ったところ、ジャニーズ問題の記者会見に出ていた知人の記者が、一部のメディアでやり玉にあげられていました。本来、追及される側の会見主催者が勝手に決めた「ルール」の中で、不当に質問できないようにされた知人が抗議し、その場で質問したことについて、「ルールに反している」と一部のメディアが知人をバッシングしたのです。

ジャーナリスト志葉玲
@reishiva
本件、「ルール違反が」的な批判も多いが、そもそも、特定の記者をあてないという「ルール」自体がおかしいのであって、それに対し抗議の声をあげるのは当然のこと。追及される側が勝手に決めた「ルール」を過剰に重視するのは、いかにも記者クラブ制度に飼いならされた人間の発想。
#望月記者
Toshi Ogata (尾形 聡彦) @ToshihikoOgata
ジャニーズ事務所の会見。最前列の真ん中に座って、ずっと手を挙げ続けた私と望月さんを絶対に当てないことを事前に決めていたとしか思えない会見で、失望し、憤りを覚えました。井ノ原氏は「ルールを守って」と私に言い、隣の芸能レポーターたちは拍手していました。しかし、厳しい質問をするであろう… https://t.co/3a27jD74Bk https://t.co/q0yh7Lija2
2023/10/02 20:04
4790Retweet 11655Likes


 この、一連の流れに、日本のメディアの問題が凝縮されているかと思います。すなわち、

・特に安倍政権以降、権力を監視するWatchdogとしてのジャーナリズムの役割を担おうとするメディア関係者が減った?ネット世論の声の大きい層(特にネット右翼系)に安易に迎合する傾向が目立ってきた。

・PV(閲覧数)狙いの、安易で質の悪い記事が特にネットで目立つようになった。

・物事の本質からそれた、些末な部分をことさら大きく取り上げたり、そもそも、何を報道すべきかの基準がおかしい。

 志葉としては、このような日本のメディアの状況は嘆かわしいので、これまで以上に頑張っていきたいと思いますし、例えば、Yahoo!ニュースの閲覧ランキングではコンスタントに上位に入る記事を配信し続けているので、それなりにジャーナリストとしての社会的な役割は(不十分ではあるものの)果たしているとは、自分では思ってます。

 ただ、単にストレートな5W1Hの記事だけではなく、その問題の背景にあるものは何か、構造的なものについての考察や、自身のジャーナリズムの哲学のようなものも、コラム的に書きたいとも考えております。そのような視点で、例えば上述の知人の記者へのバッシングの問題であるとか、福島第一原発からの、いわゆる「処理水」と呼ばれる汚染水の海洋放出の問題であるとか、あるいは、Yahoo!ニュースで配信し、大きな反響を呼んだウクライナ侵攻を平和主義者としてどうとらえるのか、この間、取材を続けている入管問題など、その時々の大きなトピックや重要ではあるものの今の日本のメディアではトップニュースにならないトピックについて、志葉なりに考えていくようなことを書き連ねていければとも考えております。

ジャーナリスト志葉玲
@reishiva
そろそろ、前向きな議論へと踏み出したいのだが、やはりこの記事は配信せざるを得なかった。

#ウクライナ を踏み台に「平和」を語るリベラル知識人の貧困 #国連 #憲法(志葉玲)
news.yahoo.co.jp/expert/article…
#Yahooニュース
#ウクライナ を踏み台に「平和」を語るリベラル知識人の貧困 #国連 #憲法(志葉玲) - エキスパート - Yahoo!ニュース  ウクライナ侵攻が始まって以来、いわゆるリベラル/左派とされる知識人やメディアの中から、過剰にロシアを擁護したり、侵攻に news.yahoo.co.jp
2023/09/29 12:33
349Retweet 695Likes

 また、そもそも、志葉がジャーナリズムの場に身を置いているのは、ジャーナリズムで、この世界がより良いものになることに貢献したいと考えているからです。そうした点では、巨悪を批判するということは、大事なことなのですが、同時に、この社会を重苦しい閉塞感が覆う中で、人々が希望を持てるような、ポジティブな試みを取り上げることも大事かとも思います。先日、急逝した出版社/ニュースサイトの敏腕編集者で、志葉にとっては、この仕事を始めた頃からの付き合いで、恩人とも言えるような存在であった北村尚紀さんが生前、「ポジティブなニュースを発信する新たな媒体を作りたい」と語っていたこともあり、彼の目指したものを、自分の仕事にも反映できたら、とも思います。

脱原発・温暖化防止を訴える人々 2023年9月、代々木公園(東京都)にて撮影

脱原発・温暖化防止を訴える人々 2023年9月、代々木公園(東京都)にて撮影

入管法改悪に反対する国会前のデモ 2023年4月撮影

入管法改悪に反対する国会前のデモ 2023年4月撮影

 そんなことを考えていたところ、theLetterというネット媒体から連載をしてみないか、とのお誘いがありました。毎週1回くらい、コラムやYahoo!ニュース等で書ききれなかったことなどを、上記のようなテイストで、戦争と平和、環境や人権といったテーマを中心に書けたらと考えています。基本的にはサブスクリプション、つまり優良の「定期購読」になるのですが、特に最初は無料公開の記事も多めに織り交ぜていきたいと思いますので、まずはメールアドレスだけでご登録いただければ幸いです。

 なお、冒頭で触れた日本のメディアでは、何故、記者会見で鋭い追及をしようとする記者がよりにもよって同業に叩かれるのか、こうした問題をどうすべきなのか、これまでの実体験や取材から論じられたら、と考えております。

つきましては、志葉の新たな発信を応援していただくこと、是非、よろしくお願い致します。

志葉玲(しば れい)プロフィール

番組制作会社を経て、2002年からフリーランスのジャーナリストとして活動開始。パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、入管による在日外国人への人権侵害等、様々なテーマを取材し記事等を執筆する。 2022年4月と2023年2月、ウクライナでの現地取材を敢行。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。Yahoo!ニュース・エキスパートのオーサー(オフィシャルライター)。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう! ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

公式サイト: www.reishiva.com

無料で「志葉玲ジャーナル-より良い世界のために」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
ハリスの歪んだ「ポリコレ」が招いた皮肉―トランプ勝利に助力、民主党支持...
誰でも
SUGIZOが語る「異なるもの」の魅力―排外主義へ憤り、平和への想い
読者限定
グレタさんも抗議!女性達の首を絞める、投げ飛ばすetc. ドイツの「ナ...
読者限定
日本でクルド人迫害が深刻化―ひき逃げ、「皆殺しにして豚のエサにする」と...
読者限定
ユダヤ団体が猛批判「イスラエルはナチス国家」―ネタニヤフ訪米に憤り
読者限定
「女性は敵、赤ん坊は敵、妊婦は敵」イスラエル側の真意、バイデンの偽善も...
読者限定
電気棒を肛門に突き刺す、イスラム女性を路上で裸にする―イスラエル軍の性...
読者限定
悪いのは「ミセス~」だけか?「コロンブス」MV炎上とコカ・コーラを中東...