「人質は敵ごと殺せ」ガザ攻撃にも適用?イスラエルの非情な"ハンニバル指令"
2014年のガザ攻撃(写真)の際にも、ハンニバル指令が発令されたという。
読者の皆さん、こんにちは。ジャーナリストの志葉玲です。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が収まる気配がありません。イスラエルのネタニヤフ首相は、あくまで「人質が全員解放されない限り、停戦はしない」として主張しており、「5日間の停戦とイスラエル側が拘束している女性や子ども達の解放を条件に、(約240人の人質の内)最大70人の人質の解放する」との、カタールを通じたハマスの申し出にも応じていないことが報じられています。ここで生じてくる疑問は、ネタニヤフ首相が最優先しているのは、ガザへの攻撃であり、必ずしも人質全員の解放ではないのでは?というものです。
あくまでハマス側の発表でその真贋はわかりませんが、イスラエル軍による空爆で人質達の一部が死亡しているとの情報もあります。こうした中、イスラエル軍の方針として、主に中東系メディアや中東諸国のネットユーザーで論じられているのが、「ハンニバル指令」(交渉材料としてイスラエル側の弱みになる捕虜を敵もろとも殺害するという同国の軍事ドクトリン)を民間人にも適用しているのではないかという見解です。10月7日のハマスによるイスラエルの村や集落への襲撃の生存者も、イスラエル軍が人質もろともハマス等の戦闘員を攻撃し、こうした攻撃によって人質も死亡したと証言するなど、「単なる陰謀論」とは片づけられない証言や過去の実例があるのです。